脂質はカロリーが高いから危険!?脂質と上手く付き合うには?

三大栄養素の1つでもある「脂質」は、脂質=太るといった認識の方々が多い印象があります。

脂質は1gあたり9kcalと、炭水化物やタンパク質1gあたり4kcalに比べると、倍以上のエネルギーを摂取できる優れものでもあります。

ダイエットをしている方は糖質摂取を抑える傾向が多いですが、1gあたりのカロリーを考えると脂質制限をした方がダイエットは成功しやすいと考えることができます。

今回は、脂質の役割や脂質とうまく付き合う方法をご紹介していきます。

脂質とは?

脂質は冒頭でもお伝えしたとおり、炭水化物やタンパク質に比べて1gあたり約2倍のエネルギーを産生するため、体にとって重要なエネルギー源です。

他にも脂質はホルモンや細胞膜を構成したり、皮下脂肪として内臓を保護したり、脂溶性ビタミンの吸収を助けたりなど様々な役割があります。

脂質は脂肪酸という物質で構成されており、脂肪酸は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けることができるので、詳しくお伝えしていきます。

飽和脂肪酸

少し難しいお話をしますと、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の違いは脂肪酸の構造上の中に二重結合を持っているかいないかの違いです。

簡単に2つの脂肪酸の特徴をお伝えすると、、、
飽和脂肪酸・・・動物性油脂に多く、常温で個体(バターなど)
不飽和脂肪酸・・植物性油脂に多く、常温で液体が多い(オリーブオイルなど)

飽和脂肪酸は乳製品や肉類などの動物性に多く含まれており、体内に貯蔵されやすくエネルギー源として利用されやすいと言われています。
しかし、過剰に摂取してしまうと悪玉(LDL)コレステロール値を上昇させ、動脈硬化や心筋梗塞など疾患のリスクを高めます。

そのため、筋肉をつけるためにタンパク質を沢山摂取しようと肉類を多く食べると飽和脂肪酸も一緒に摂取していることになるため、食べる量には注意が必要です。

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸はさらに枝分かれし、「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に大きく分けられます。

一価不飽和脂肪酸はオリーブ油に含まれるオレイン酸が代表的で、日本人が摂取する一価不飽和脂肪酸の約90%を占めると言われています。

不飽和脂肪酸は飽和脂肪と違い、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸は摂取することで、動脈硬化や心筋梗塞などを引き起こす悪玉コレステロールを低下させる効果があります。

多価不飽和脂肪酸はオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸に分けることができ、皆さんがよく聞いたことがある魚油に含まれている「EPA」や「DHA」などがあります。
一般的に「脂質」と聞くとあまり体に良くないイメージを持たれるかもしれませんが、脂質も体にとって必要不可欠な栄養素です。

脂質を摂り過ぎると・・・

脂質は体の中でエネルギー源として貯蓄し、必要に応じて利用され消費されますが、現代の日本において食生活が欧米化し日常的に脂質を摂りすぎている可能性が高くなっています。

脂質はエネルギー量が多いため、摂り過ぎてしまうと肥満・高血圧・脂質異常症・糖尿病・動脈疾患など様々なリスクを高めます。
そのため、脂質を摂取するときはオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸といった良質な脂質を摂取し、五大栄養素が揃ったお食事を意識することが重要になります。

脂質異常症

食事が欧米化している日本で多くなっている疾患が脂質異常症です。

脂質異常症とは、血液中の脂質の値が基準値から外れた状態を脂質異常症といいます。
脂質異常症はが続くと、動脈硬化症や心筋梗塞などといった命に直結する疾患と深く関わってきます。

肉類・乳製品の摂りすぎ以外にも、鶏卵や砂糖が入ったソフトドリンクやお酒を飲む習慣が多い方は中性脂肪が高値になる傾向があります。
食生活を見直すことも大切ですが、適度な運動と禁煙なども心がけていきましょう。

脂質が不足すると?

脂質は体を構成する重要な栄養素のため、不足してしまうと健康面や体調面にも大きな影響を及ぼします。

・エネルギー不足によって疲れやすくなる
・細胞膜や血管壁が弱まる
・月経が来なくなる
など様々なリスクが考えられます。

エネルギー不足

1gあたり9kcalと脂質はエネルギー補給に最適ですが、控えすぎて不足してしまうとエネルギー不足になり、体重が減少したり疲れやすくなります。
他にも脂溶性ビタミンの吸収が悪くなり、肌荒れや便秘などが起こりやすくなります。

1日のエネルギー量が不足すると、人間の体は筋肉を削ってエネルギーを作り出そうとします。
そのため、ダイエットのために脂質を抑え過ぎるとエネルギーが不足し、筋肉を削ってしまうため代謝が落ちてしまい太りやすくなってしまうため要注意です。

月経不順

脂質はホルモンの材料であり、女性ホルモンはコレステロール(脂質)から作られています。

極端な食事制限などで脂質が不足すると、女性ホルモンの分泌が減り、ホルモンバランスが崩れることでイライラする・便秘が続く・頭痛が続く・月経不順になるなど様々な問題が起きる可能性が高くなります。

他にも肌がカサカサしたり、髪の毛がパサパサしやすいなどといった皮膚が乾燥しやすくなります。

1日に必要な脂質の摂取量

脂質の1日の摂取量は、性別や活動量によっても異なりますが基本的には20〜30%を目安に脂質を摂取する必要があります。

PFCバランスでは炭水化物50〜65%、タンパク質13〜20%、脂質20〜30%というバランスで食事を摂取すると必要な栄養素を補うことができます。

ダイエット期間中は脂質の摂取量は20%〜25%、日常的に体型維持であれば25%〜30%程度を摂取していただければ、脂質を多く摂り過ぎることもなく少な過ぎることもなく摂取することができています。

例えば、1800kcal摂取する方であれば
炭水化物・・・225~292.5g
タンパク質・・58.5g~90g
脂質・・・・・40g〜60g
摂取する必要があります。

上記の数字を見ると意外と摂取しても良いことがわかるかと思います。
自身の現在の食事がどれくらい摂取できているのを確認するためにも、管理栄養士を頼ってみてはいかがでしょうか?

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まとめ

今回のブログでは、脂質についてお伝えさせていただきました。

脂質と聞くとあまり良いイメージはないかもしれませんが、体にとってとても重要な栄養素だということが今回のブログで理解できたと思います。

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WRITER

この記事を書いた人

友松 春奈 Tomomatsu Haruna

管理栄養士 / パーソナルトレーナー

経歴
2019年3月 柔道整復師(国家資格)取得
2022年11月 スポーツ栄養医学指導士取得
2023年3月 管理栄養士(国家資格)取得
現在
パワーリフティング選手として活動しながら、管理栄養士兼パーソナルトレーナーとして、プロのアスリートからさまざまな年齢層の方のダイエットをサポート。