栄養のプロが教える「疲れやすい人」に共通する２つの不足

「疲れやすい」と感じるとき、単なる運動不足や睡眠の質だけでなく、体内のエネルギー代謝が上手くいっていないことが背景にあります。
つまり、食事で摂った栄養が効率よくエネルギーとして使われていない状態です。
これは、例えると”ガソリンはあるのにエンジンがうまく回っていない”ような状態。
そこに関わるのがビタミンB群や鉄分などの微量栄養素なのです。

コンビニ食がや外食が多く、野菜や魚の摂取が少ない現代の食生活では、
カロリーは足りていても栄養が足りていない＝隠れ栄養不足に陥りやすくなっています。
しかも、ストレス・睡眠不足・運動不足などの生活習慣が加わることで、体内で必要な栄養素の消化も増加してしまいます。

疲れにくい体を作るには、ただ休むだけでは不十分です。
食事から摂った栄養をエネルギーに変えるには、ビタミンやミネラルが欠かせません。
たとえばビタミンB1は糖質をエネルギーに変える働きを助け、鉄分は体に酸素を運びます。
これらが不足すると、栄養があっても”燃やせない”状態になり、慢性的な疲れやすさに、、、
つまり、疲れ対策のカギは「栄養をきちんと支える体」に整えることです。

ビタミンは、私たちの体にとって「車のオイル」のような役割を果たす重要な栄養素です。
糖質・脂質・タンパク質といった三大栄養素（PFC）を燃料として使うには、ビタミンの力で代謝のスイッチを”オン”にする必要があります。
特に「ビタミンB群」は、エネルギー代謝に直接関わっているため、不足するとどれだけ食事をしっかりしていても、エネルギーをうまく作れなくなります。

実は、私たちの体はストレスを感じると、その対処のために大量のエネルギーと栄養を使います。
ビタミンB群やビタミンCは、ストレス時に真っ先に消費される栄養素です。
特にコルチゾールというストレスホルモンが分泌されるときには、これらの栄養素が急激に使われるため、ストレスが続くと体内のビタミンはどんどん不足していきます。

【緑黄色野菜】　ブロッコリー・ほうれん草など

→ビタミンA・C・Eが豊富で、抗酸化作用に優れています。特にビタミンCは免疫力や疲労回復に効果的。炒め物やスープにすれば吸収率もアップ。

【卵】

→ビタミンB群とDがバランスよく含まれた「完全栄養食」。神経や赤血球の働きを支え、疲れにくい体づくりに◎。
毎日の朝食におすすめ。

【果物】　キウイ・いちご・バナナなど

→ビタミンCやB群が豊富で、手軽に摂れるのが魅力。特にバナナはエネルギー補給にも優れており、朝や間食にもぴったり。

この3つを日々の食事にうまく取り入れることで、ビタミン不足による疲れを防ぐことができます。

ミネラル（鉄・亜鉛・マグネシウム）は体内では作れない栄養素で、神経伝達や筋肉の収縮、ホルモン分泌など、体のあらゆる調整機能に必要不可欠です。
特に鉄は、血液中の酸素を運ぶ働きがあるため、不足すると体中が酸素不足になり、極端な疲れやすさ・立ちくらみ・冷えなどを引き起こします。

亜鉛は免疫力や味覚、ホルモンバランスに関与します。
不足すると、味がしにくくなったり、肌荒れが出やすくなったりします。
また、マグネシウムには神経伝達や血管の緊張を緩和する役割があり、
不足するとストレスに弱く、イライラや不眠の原因にも、、、

・鉄分：赤身肉、レバー、ひじき、小松菜、大豆製品
・亜鉛：牡蠣、牛肉、卵、ナッツ類
・マグネシウム：アーモンド、玄米、豆腐、海藻類

これらをバランスよく取り入れることで、体の調子を内側から整え、疲れにくい体質をつくることができます。