Eva Spoof(UDUMBARA)

取材も早いもので、3回目となりました。

今回の主役は、
ヘルシンキで陶芸家として活動する
Eva Spoof(エヴァ・スプーフ)さん。

フィンランドの土を使い制作活動をされており、今注目を集めています。

取材場所は
彼女のスタジオ「UDUMBARA」。
作品に込められた思いや物語を聞いてきました!

1、陶芸活動について

Q : 普段はどんな物を作られているんですか?

フラワーポットとティーセットを作っているわ。
材料は、フィンランドで取れた自然の土よ。

大抵の(フィンランドの)陶芸家は
人工的に作られた陶芸用の土を使っているの。


なぜフィンランドの土を使おうとしたんですか?

10年前、中国を訪れた時に
ティーセットを沢山沢山目にしたの。
ヘルシンキに帰ってきた時に
同じような物は作りたく無いわと思って。

そこでこの土を使ってみようと決めたのよ!

Q : 土はどんな場所で取れるんですか?

レンガの製作所で採っているわ。
製作所の友人に
これを使ってみたら?って言われたのが始まりね!

昔と今では焼き方が違うの。
焼きムラがあると溶けてしまうから、昔は皆怖がっていたのよ。
今はこの釜のお陰でクリアね!
(昔と今の作品を手で叩き、音の違いをみせる)


奥に見えるのが彼女の窯

Q : 限られた種類を作ることに不安はありませんでしたか?

無いわ。
お皿はフィンランドに沢山あって…
まさに飽和状態だったの。

このティーセットは
土に含まれる鉄分やミネラルが溶け出すから身体にとっても良いの。
そしてフラワーポットは
フィンランド産のものが今無いのよ。
今は全て中国で作られているでしょ!
フィンランドでも、ニューヨークでも、あなたの住む日本でもね(笑)

日本や中国の作品には影響を受けますか?

そうね。
最初は、フィンランドの伝統的なものを作ろうと思ったわ。
でも伝統はあまり無いのよね(笑)

私はイギリスの陶芸家 バーナードリーチに感銘を受けていて、彼は日本で学んでいたのよ。
だから日本の文化や作品に影響を受けているの!
けれど違いも出したいからフィンランドの土を使って制作しているわ。

それに日本のお茶文化についても学んだわよ!
とっても深いの!
それにフィンランドらしさを融合させられたらベストね!


形や色使いは日本には無いテイストが感じられます

Q : 他の国からの反応はいかがですか?

分からないわ(笑)
(反応が良いのは)北欧や日本からですかね?
まぁ、日本の方はイッタラを買いますけど(笑)

そうそう、イッタラではマスタークラスの陶芸教室をしているの。
そしてこのスタジオでは
ビギナークラスや、経営者の前で作るパフォーマンスをしているわ。

(始めてから)
ろくろの中心が分かるのに2年かかるの。
最初はぐちゃぐちゃになっちゃうのよね。
だから集中することを学ぶの。
最初は皆、思ったより難しい!って。
だからビギナークラスは
「no product class(何も作らないクラス)」と呼んでいるのよ(笑)

目の前で作る際には
実際に少しやってもらうこともあるわ。
その時は私が手伝うから、皆「簡単だなぁ!」って言うのよね(笑)


スタジオで子供達を教えるエヴァさん


エヴァさんが使用しているろくろ

2、陶芸家になったきっかけ

Q : この職業に就いたきっかけは何ですか?

母がアラビアファクトリーの観光ガイドとして働いていて、小さい頃からよく職場に連れて行ってもらったわ。

12歳位の時に
アラビアのアーティスト Kauko Rajala(カウコ・ラヤラ)さんが作ったボトルを見たのが重要なきっかけね。
その時に、彼女が「何作って欲しい?」って聞いてくれたの!
ボトルを作ってもらって、とっても憧れちゃったのよ!

そうそう
今は空港のお店で販売員もしているの。
向こうでは全く違う仕事ができるし、沢山の友人もいるわ。
それに、ここでずっと一人で制作に没頭していると、外との繋がりが無くなってしまうのよ。
今後もできる限り続けていきたいわね!


奥にみえるのは、フィンランドで採取された自然の土

Q : 仕事をしていて特に嬉しかったことは?

若い頃は、何でこんな仕事を選んだのだろうって思うこともあったわ。
今は、この仕事が本当に素晴らしいと実感しているの。
この仕事は毎日が勉強だし、
キャリアを続ければ上手くなっていくので
80歳になっても続けていける仕事だと思うわ!

あとは、最近になってアートやクラフトの価値が見直されてきて嬉しいわね!
15年前に、イケアが安い商品を売り出してから、アートやクラフトは軽視されていたのよ。

これからもお客様のために作り続けていきたいわ!

Q : 今後の予定は?

やりたいプロジェクトは沢山あるわ!
例えば、このティーポット。
フィンランドの土を使うと、くっつくのに半年はかかるのよ。
私は早く作ろうとしちゃって…ほらね(笑)


よく見てみると…取手部分に亀裂が!

3、日本について

Q : 日本に行かれたことはありますか?

無いのよ。
仏教について学んでみたことはあるけどね。
実は、このスタジオ名も仏教の話から付けたのよ!
ウダンバラは、2000年に1回咲く花の名前。
そう、まだ咲くのを待っているのよ(笑)


パッケージは、既製品の箱をリユースしています。

Q : 日本の物作りについてどう思いますか?

尊敬しているわ。
1990年に、京都でお茶を学んだフィンランド人がお茶会を開いたの。
そこから日本について学ぶ機会ができたのよ。
抹茶の器が大好きになり、日本の美学を知ったの。
日本のお茶文化の精神的な部分(瞑想=自分の心の内側に集中し意識を向けること)にとても興味があるわ。
いつか京都に行ってみたいわね!


窓際に佇む試作品のフラワーポット
いくつもの形が組み合わさっています

取材を終えて

エヴァさんは、とてもエネルギッシュで
笑いの絶えない素敵な方でした。
ユーモアとパンチの利いたお話に(世界に)引き込まれ…
あっという間に半日が過ぎてしまいました。

フィンランドと日本を結ぶような
素敵な作品をこれからも作り続けて欲しいです。

今回取材した
エヴァさんのスタジオ「UDUMBARA」。
場所は、トラムが走る路線の側。
Kaarlenkatu駅で降りればすぐです。
ヘルシンキに訪れた際には、
彼女のスタジオに足を運んでみてはいかがでしょうか?

オフィシャルサイト
UDUMBARA

そして通訳として協力して下さったAnzuさん。
ヘルシンキを中心にツアーガイドをしています。
現地に住む日本人ならではの視点で
王道なツアーから少しマニアックなツアーまで。
彼女と巡ってみてはどうでしょうか?

オフィシャルサイト
Ikada Helsinki

今回の取材はこれにてお終い。
来年からはもっと現場の雰囲気をが伝えられるように頑張ります!

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