ふらり京都へ

最近ツムグは
PCにかじりついてばかり…

気分転換に、京都へ出かけました。
京都は日本でも好きな場所のひとつです。
最たる理由は食。
京都のあっさりとした味が好みなんです!

…と言う話はさておき。
今回は日本の手工芸・伝統工芸(=クラフト)に触れる旅へ。

なぜ日本のクラフト?
ここは北欧の雑貨屋でしょ?
そう思った方、ちょっと待ってください。
ツムグは北欧を訪れる中で
日本のクラフトについて興味をもちました。

19世紀中頃。
日本が鎖国から解放されると
国際博覧会などで日本の美術・工芸品が西洋に知れ渡り、ジャポニズムと呼ばれる日本ブームが訪れます。

以降
フィンランドでは、カイフランクなどのデザイナーが来日。
素朴な日本人の暮らしや、身近ながら洗練された日用品を見て感動したと言われています。
またデンマークでも、日本の自然を題材にしたクラフトに感化された多くのデザイナーが日本に訪れた歴史があります。

日本と北欧は繋がっている!
北欧の物作りは、日本の影響を受けている!
そう感じてから
いつか日本のクラフトに触れたいなと思っていたんです。

そんな動機でいざ京都へ。

7/13 1日目

昼過ぎに到着。
まずは、アサヒビール大山崎山荘美術館 ※1 へ。
ウィリアム・モリスの企画展示を見に行きました。

モリスは、19世紀にイギリスで活躍した芸術家・思想家です。

1861年。
仲間と共にデザイン商社(モリス・マーシャル・フォークナー商会)を結成。
壁紙、ステンドグラス、家具など多岐にわたる仕事を、デザインから製作まで一貫して請負い製作。
アーツ・アンド・クラフツ運動を先導しました。

あーつあんどくらふつ?
何のことか分かりませんね(笑)

当時、イギリスは産業革命の真っ只中。
大量生産に拍車がかかる一方で、粗悪品も出回るようになってしまうのです…
手仕事による熟練の技術が失われてはまずいと焦ったモリス。
彼は仲間とその芸術性を守ろうとします。
これをアーツ・アンドクラフツ運動といいます。

彼の活動が、日本の柳宗悦らを刺激。
その後、1926年の民藝運動に繋がったとされています。

無名の職人が各地の風土や生活に合わせ作り出した道具=「民藝」を守ろうと、柳宗悦らが提唱した民藝運動。
当時、華美な装飾作品が多かった日本で
彼らは生活の中にこそ美しさがあると唱えました。
また工業化が進んでいた世の中に
警鐘も鳴らす意味も込められていたそうです。

近代化に飲み込まれず
クラフトが残っているのは彼らのおかげなのです!

 

続いては河井寛次郎資料館へ。
彼は、民藝運動の中心となった陶芸家。

経歴を見ると、カイ・フランクなど北欧を代表するデザイナーも受賞した国際展覧会 ミラノトリエンナーレでグランプリを受賞しています!

資料館は1937年に
自宅兼作業場として彼が設計・建築。
清水寺近くの閑静な裏路地にあります。

写真は釉薬をかけた作品を焼くための窯。
温度は1350℃!とんでもない熱さです。

窯の側面。
彼は2番目の窯をよく利用していたそうです。

登り窯と呼ばれるこの窯。
階段様に窯が作られています。
窯同士がダクトで繋がることで、最下部で燃やされた熱が上方へ伝わり、効率よく焼ける仕組みです。

実際に使われていた設備を目の前にすると
手作業の大変さがひしひしと伝わってきます。

作品達。

斜めから失礼します(笑)

 

さらに昭和初期の居住空間も体験できます。
こちらは茶室。

なぜ段差があるのか、壁で小さく仕切るのか、長い廊下(離れ)があるのか。
今では、バリアと言われることが多いですが
その意味を知ると納得することも沢山あります。

 

1日目が終了。
それにしても、京都は暑い。
(翌日には38度を記録します)

館内に住みついている猫もノックダウン…笑

 

7/14 2日目

2日目。
照りつける太陽の下
烏丸三条にある伝統工芸美術館へ。

ここでは伝統工芸の製作実演が見学できます。
この日は、漆工芸、仏像彫刻、木工芸を間近で見せてもらいました!

実演コーナー

まずは漆工芸(漆塗り)の実演へ。
プレートを見ると
漆塗りの行程が一目でわかります。

素材である木材の保護や
漆の表面を均一に整えるため
少しずつ漆を刷り込んでいきます。
そして、最後は手(油脂)で表面を慣らしていく。

こんなに多く手順があることなど露知らず…

続いては木工。
木を繋ぎ合わせるためのほぞつぎ。
ここでは、実際に組み合わせることができます。

作る物の特性により
何通りにも及ぶ組み方から選択。
(例えば、タンスの引き棚なら
引く方向に耐性のある組み方を選びます)

そして数ミリ単位で、ほぞ穴を調整。
木材の特徴を把握し
穴を削る強さ・向きを調整します。

見ていると、本当に気の遠くなる作業…
今使っているお椀や家具のルーツを知ると
それらの物に向き合う姿勢が少し変化しますね。

ここらでちょっと一服。
カマタ店という雑貨屋(カフェ)さんへ…

 

店主さんとは1年前に出会い
物について色々な話を咲かせました。

より一層こだわりが増した雑貨達。
このお店に来ると
自分の尖り具合も可愛く感じます。
これからもこだわり抜いて欲しいなと思います。

梅ソーダで糖分を補給。
これで最終日も頑張れます!

 

7/15 3日目

最終日は、古道具屋 itou さんへ。

店主の伊藤さんは
学生時代からお店を始め、現在3年目に。
穏やかな方ですが
物のセレクトには攻めの姿勢を感じます。
とても良い刺激になりました。

さて、大まかな予定は終了。
この日は色々と寄り道もしたので簡単にご紹介。

まずは
ロームシアター京都。

日本の建築家 前川國男が
1960年に建築した京都会館。
老朽化の対策と新たな価値を創造するため
香山壽夫によって2006年に改築。
ロームシアター京都となりました。

どこが改築された部分でしょうか?笑

 

続いて
創作竹細工のお店 公長齊小菅。
外国の方と日本について話すと
竹林の美しさがよく話題になります。

1898年創業の老舗も
日本のデザイナーやデンマークのデザインスタジオとコラボレーション。
伝統工芸も、時代の変化に適応し成長しています。

 

今回は、気楽に書くつもりでしたが
気づいたら結構な量に…
物の魔力に憑りつかれたということにしておきましょう(笑)

旅はこれにて終了。

日本のクラフトに触れ
京都の個性的なお店達に勇気をもらった旅。
良い気分転換になりました。
ツムグも一歩ずつしっかりと足を進めて参ります。

それでは。

 

 

索引

※1 アサヒビール大山崎山荘美術館
大正~昭和初期に
実業家 加賀正太郎が別荘として設計。
平成になると、老朽化から取り壊しの危機に…
アサヒビール株式会社の協力の元
文化財保護と活用のため復元工事を実施。
1996年。
安藤忠雄設計の新棟を加え、美術館となりました。

 

気分転換

5月病…ではありませんが、久しぶりの更新。

ちょっと気分転換にし
名古屋栄のコンランショップで行われた
Yチェアの座面張りデモを見に行きました!

デンマークのデザイナー
ハンス・J・ウェグナーのYチェア。
1949年に生産され
ビンテージだけでなく現行品も販売されています。

今回はこの椅子について
新発見も含めて紹介していきます。

まずは今回の主役である座面。
使用されている素材は、なんと紙なんです!
紙を捻ることで、構造的な強度を高めています。
外見はまるで紐のよう!
(ペーパーコードと言います)

紙に含まれる油分は、撥水効果があり
濡れても心配ありません。

張り作業は、緩みがでないように
適正なテンションを掛けつつ進めていきます。
また最もテンションがかかる部分には
強度の高いビーチ材を使用しているそう。
(普段は見えない部分です)
これは新発見でした!

次いで椅子本体の説明が続きます。

椅子の象徴となっているY部分。
実はデザインとして採用した訳では無く
椅子の三次元の形に効率よく適合させるために
採用されたそうです。

まさに合理性を求めての選択。
デザイナー以前に
優れた木工職人であったウェグナー。
彼のプロダクトに懸ける思いが伝わってきました。

気分転換のつもりが
興奮して長文となってしまいました…笑
物の深みに触れると
目の前にある物が残っている理由が分かります。
ツムグもそんな深みを楽しく伝えられるお店になるように頑張ります!

それでは。

コツコツと…

買い付けの準備と並行して
お店の準備もコツコツと進めています。

元々は物置として使われていた
築70年の建物。

断捨離したら、
少し凛とした表情になったような…

これからはいよいよ改装に入ります。

昭和の建物にどう北欧の風が吹くのか。

色々な思いを巡らせながら
ひとつひとつ丁寧に進めてまいります。